
自動車関連業者が新人事評価制度とマーケティングの仕組みづくりに副業人材を活用
自動車関連業 × 人事人材 / マーケティング人材
有限会社しのぶや @栃木県那須町・那須塩原市
- 副業・兼業者
- 人事:30代男性(首都圏在住) 大手企業人事担当 / マーケティング:20代男性(首都圏在住) 大手企業マーケター
- 契約形態
- 業務委託
- 業務内容
- 人事評価制度設計 / マーケティング
栃木県那須町・那須塩原市を中心に自動車関連業を行っている有限会社しのぶや。創業30数年が経ち、会社の規模は大きくなったものの、実態は「大きくなった個人商店」の状態であり、組織体制や人事評価制度、マーケティングについて課題を感じていたため、課題解決の手段として副業人材を活用しました。
副業人材を活用した背景について教えてください。
最初のきっかけは足利銀行さんからの声掛けでした。当時はコロナ禍で副業人材を活用する企業が増えている。御社でも活用できるかもしれないから、考えてみませんか?と言われ、まずは以前から課題のあった人事評価制度のことが頭に浮かんだため、人事領域の人材を採用しました。その後、マーケティングに対しても副業人材を活用する企業が多いと聞き、4ケ月ほど経ってから追加で募集を行いました。
依頼する内容はどのように決めましたか?
当社は栃木県那須町・那須塩原市を中心に自動車関連業を行っています。創業30年が経ち、今では従業員も50人を超える規模になりました。しかし、人事強化制度については昔の属人的な評価のままだったんです。もちろん「頑張ってくれている従業員にはもっと給与をあげたい」という気持ちはありますし、属人的な評価が必ずしも悪いものだとは思っていませんでしたが、従業員のためにも、そしてこれから入社してくれる人のためにも、誰が見ても納得できるような「モノサシ」が必要だとは思っていました。
幹部のミーティングでも何度も議題にあがっていましたが、外部のコンサルを入れるのは当事者意識がなくなってしまうし何か違う、かといって社内の人間だけではそこまでの知識がなく制度の設計は難しい。あくまでうちが主体となって、「サポート」として入ってくれる人が欲しいと思い副業人材の活用を決めました。
マーケティングに対しては、個人商店からの付き合いの延長でズルズルと広告を出しているものの、それが本当に必要なものなのか、年間、どれぐらいの広告宣伝費をかけるのが妥当かといったことを客観的に見てくれる人が欲しいと思いました。
求めていた人材の要件について教えてください。
どちらの人材も、経歴や年齢など、その人の背景を見させてもらったうえで、しっかりとコミュニケーションが取れるかどうか、あと、定期的に現地に来ていただけるか、という点を重視しました。漠然とですが、関東近郊など、行き来しやすい人が良いとは思っていましたね。
面談時のポイントや採用した決め手について教えてください。
人事とマーケティング、それぞれ20人程度の方から応募をいただきました。まずは応募書類を見て、どういった経歴を持っているのかを見させてもらいました。うちはあくまでメインは社員、人材はサポート役という感じで進めたかったので、専門性が高くて、その業務に特化している人が良いと思いましたね。
書類選考で7名程度に絞り、面談はすべてオンラインで行いました。面談時に資料を作成・提示してくれる人がいて、提案の分かりやすさからその人にお任せすることにしました。
どんな形で支援をしてもらいましたか?活動期間・内容、契約形態について教えてください。
実は最初、人事のほうは色んな意見を取り入れたいと思って3人の人材を採用したんです。でも、うまくいかなくて3か月程度で1人に絞りました。その後は人事、マーケティング各1名で、契約は今でも続いています。それぞれ週1回のオンラインミーティングと月1回の来店が基本ですが、それ以外にも資料の共有や思ったこと、感じたことはその都度、グループラインやチャットワークを使ってやり取りをしています。
人材と社員の関わりについて教えてください。
社員には「うちがやろうとしていることを一緒にやってくれる人、外部執行役員だよ」と伝えました。普段の人材とのミーティング、やり取り等は幹部のみが行っています。ただ、人事では社員が対象のヒヤリングアンケートを作ってもらったり、新制度についての社員説明会を開いてもらったりしましたし、マーケティングのほうも現場の営業担当社員の意見を聞いてターゲットとなる顧客層を分析するなど、業務によっては社員と関わることもありますね。
どのような業務を任せましたか?
人事については新しい人事評価制度や、それに基づく給与体系の作成をお願いしました。まず、社員向けに人事制度に関するアンケートを実施、さらにそれに基づいて社員と各部門長に個別に面談を実施。それぞれのニーズを汲んだ新しい人事評価制度ができました。また、新評価制度の実施に際しての社員説明会も人材が行ってくれました。
マーケティングについては、不透明だった「広告費をいくらかけて良いのか」を明確にするため、毎月の広告予算を策定して実施する形に。施策のPDCAを回しながら、通年の広告出向プランやSNSでの周知拡大などを含めた、マーケティングの計画を検討してもらいました。また、人材がCM作りのプロだったこともあって、ラジオCMも作ってもらいました。
成果はありましたか?また、課題点についてもあれば教えてください。
人事では1年かけて新評価制度、給与体系が完成しました。これから実際に運用しながら、改善点があれば人材と一緒に見直すつもりです。マーケティングについては、月ごとの予算化で、不透明だった「広告費にいくらかけて良いのか」ということがようやくクリアになりました。また、商圏の人口、当社のお客さんの年齢等を詳細に分析することにより、メインターゲットとなる年代が明らかになったのも大きな収穫だと思います。今後はそのターゲットに合わせて勧める車種を決めたり色んな戦略が考えられるので、どちらの人材にもまだしばらくはお世話になる予定です。
課題は、自社の社員ではないので、相手のスケジュールを把握した上でミーティングを組まないといけない、人材は異業界の人たちのため、商品(車)の特性や収益構造を理解してもらうのに時間がかかったこと、などでしょうか。実は私自身、コンサルなど外部の人に何かを言われるのが好きではなかったんですが、人材に第三者的な立場で意見をもらうことで、今まで「とりあえず」やっていたことがクリアになった、導入して本当に良かったと思っています。