金属製のペンを握っている手の写真

OEMメインの金属加工会社がオリジナル商品開発と広報・PRに副業人材で着手。

製造業 × 商品開発人材 / PR・広報人材

加藤金属工業株式会社 @群馬県富岡市

副業・兼業者
商品開発:40代男性(首都圏在住)経営者(中小企業診断士) / 広報・PR:20代男性(関東在住)マーケティング系企業勤務
契約形態
業務委託
業務内容
新商品の開発プロジェクト / SNSの運用

他の企業からのOEM製造を主力事業として、シャープペンシル、ボールペンなどの製造を行ってきた加藤金属株式会社。かねてより自社オリジナル商品の開発・販売をしたいと考えていた同社は、副業人材による支援を得て、オリジナル商品の開発を行うことに決めました。

副業人材を活用した背景について教えてください。

当社の主力事業はシャープペンシル、ボールペンなどの筆記用具の製造ですが、OEM受託がメインなんです。他のメーカーから作ってほしいと言われたものを作る。商売が人任せなんですね。受注があるときは良いけど、閑散期もある。自社でコントロールできないため、会社の将来を考えると、自社のオリジナル商品を作らなければならないと考えていました。

そんな時に富岡市から副業人材活用についてのセミナーを教えてもらい、参加しました。副業人材については前にテレビで観て知っていましたが、社内だけでは限界があるので、知見が広い副業人材を招いて知識を取り入れたいと思う反面、どこまで活用できるのか…と不安もありました。でもセミナーに参加してみて、敷居は高いけれども補助金があったのでちょうど良い、やってみようと思いましたね。

依頼する内容はどのように決めましたか?

以前から自社のオリジナル商品を作りたいという想いはありました。でも、当社はОEМ製造がメインなので、自分たちで考えた商品を形にする、というノウハウがないんです。さらに、商品を作ってもどうやって売ればよいかわからない…という課題も抱えていました。

そんな時に富岡市と副業人材の紹介サービス会社が提携し、費用の一部が補助されることを知り、その紹介サービスにて、新商品の開発に関わってくれる人と、商品の広報・PR戦略を考えてくれる人、2名の募集を行うことにしました。

求めていた人材の要件について教えてください。

OEM受託案件は顧客アイデアに基づく製造が多いため、「社内で商品企画に関するアイデアを出し、それに基づいて作る」という経験がほとんどないんです。そのため、商品開発の人材はアイデア出しの手法から教えてくれる方がいいと思っていました。

広報・PR戦略においても、お客さんの情報を出すわけにもいかず、何を載せれば良いのだろうと思っていたので、まずはそこから指導をしてもらいたいと思っていましたね。

面談時のポイントや採用した決め手について教えてください。

たくさん応募いただいた中から絞り込み、5~6人とオンラインで面談をしました。当社の場合は、募集をかけてすぐ応募してくれた人よりも、何日か経ってから応募してくれた人のほうが、ちゃんと当社の課題とマッチしている印象でしたね。

面談では経歴をお聞きした上で、当社からの質問に対し、どう答えるかを確認させてもらいました。抽象的な答えしか返ってこない人もいましたが、採用した広報・PR人材は具体例を提示して答えてくれましたね。あと、偶然ですが同じ群馬県内に拠点のある方だったんです。関東圏なら良いかなと思っていましたが、何かあった時にすぐに来ていただける距離にいるのは心強いですね。

商品開発の方は、実は採用がうまくいかず、現在の方で3人目なんです。こちらの取組みはまだ始まったばかりですが、現在の人材は、自分からアイデアを出すというよりは、ちゃんと社員の考えを引き出し、案を広げていってくれる方なので期待しています。

どんな形で支援をしてもらいましたか?活動期間・内容、契約形態について教えてください。

人材とは、月2回程度、平日の昼間にオンライン会議をしており、それ以外は必要に応じて、メールでやり取りをしています。また、オンラインがメインですが、何度か現地にも来てもらって打ち合わせもしています。やはり、実際に現場を見て、私たちの仕事を知った上で指導してもらえるのはありがたいと思いますね。

人材と社員の関わりについて教えてください。

人材とのやり取りは社長と私(専務)で行っていますが、プロジェクトには他にも3人の社員に関わってもらっています。こんな働き方があるのかと社員の刺激にもなっていると思います。

どのような業務を任せましたか?

広報・PRの人材にはSNS(インスタグラム)の投稿を指導してもらいました。具体的には、当社のSNSを担当する女性社員の投稿を広報・PR人材が見て、添削する感じです。当初から「自分が抜けても自走できる体制を作る」と言ってもらった通り、ヒントはくれるけど、ネタを提供してくれるわけではなく…、ちゃんと社員の意見を引き出してくれましたね。1年で1,000フォロワー獲得が目標でしたが、1年もかからずに達成できました。現在では1,200フォロワーまで増加しています。

商品開発の人材には外部のデザイナーとの新商品開発のプロジェクトに加わってもらいました。また、新商品のマーケティング戦略も一緒に考えてもらう予定です。

インスタグラムのスクリーンショット

加藤金属工業のInstagram

成果はありましたか?また、課題点についてもあれば教えてください。

SNSについては、一区切りつくことができました。今後、新商品をクラウドファンディングに出したいと思っているので、人材には引き続き支援をお願いしたいと思っています。

商品開発のほうは、まだ始まったばかりですが、商品として「形」にするとともに、どうやって売っていくか…という戦略を一緒に考えてもらっています。できればメディアにも出していきたいですしね。ただ、現状ではOEMの製品製造が中心で、自社の商品にまで手が付けられないというのが現状なんです。人材には商品を売り出す前に戦略を考えることも必要だと言われているので、引き続き一緒に取り組んでいきたいですね。

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